※ネタバレ的なこともあると思うので、それが嫌な方は読まないように(笑)※
★あらすじ
東京・日本橋で男性が殺害される事件が発生。被害者はカネセキ金属の製造本部長、青柳武明(中井貴一)。彼は、腹部を刺されたまま8分間も歩き続けた後に、日本橋の翼のある麒麟像の下で力尽きていた。なぜ、誰の助けも求めず、彼は一体どこへ向かおうとしていたのか。一方、事件の容疑者、八島冬樹(三浦貴大)は現場から逃亡しようとしたところを車に轢かれて意識不明の重体だった。報せを聞いた八島の恋人、中原香織(新垣結衣)は、彼の無実を訴えるが……。この難事件の捜査に当たるのは、日本橋署の切れ者刑事、加賀恭一郎(阿部寛)。やがて捜査が進むにつれて、それぞれの家族や恋人の知られざる一面が明らかになってゆく。命が終わるその時に、青柳は誰に何を伝えようとしていたのか?愛する人に何を残そうとしたのか?加賀は事件の裏に隠された謎を解き明かし、真実を見つけ出すことができるのか……?
麒麟の翼 劇場版・新参者|MOVIE WALKER PRESS
麒麟の翼 ~劇場版・新参者~ (2011):あらすじ・キャストなど作品情報|シネマトゥデイ
★作品データ
製作年 2011年
製作国 日本
日本公開 2012年1月28日
上映時間 129分
配給 東宝
ジャンル サスペンス
監督 土井裕泰
★ドキドキ感
すでに人がしんでしまってからスタートする話なのでそこまでのドキドキ感があるわけではないのですが、事件に絡む人が自殺してしまうかも・・・ということで、地下鉄にひかれそうになる人を溝端さん演じる松宮が助けるシーンはドキドキしました。間に合うのか、間に合わないのか・・・間一髪というところで。
★泣ける感
親が子を思う気持ちというのは、普通に生活しているとなかなか伝わらないもんなんですよね。しんで初めてそのメッセージを受け取って気付く優しさ、思いやり。こどもがいたら、こういう映画をみせてやりたいなと思いました。中井貴一さんの青柳家の話、阿部寛さんの加賀家の話、新垣結衣さんのこどもの話、家族愛が描かれている映画だと思います。それぞれがそれぞれを思う、あとからその思いに気付く、事件が明らかになるにつれて、それぞれの家族に対する思いも明らかになっていくので、「あ〜ほんとに真相がわかってよかったな」と感じます。
★笑える感
まああんまり笑うところはないといえばないんですが、あえて挙げるなら、たこ焼きを食べるシーンで阿部寛さんが溝端淳平さんに串を2本渡して自分は箸で食べる。溝端さんは串2本でなかなかたこ焼きつかめないという・・・(笑)溝端さん1人では真相にたどりつけない〜〜感じなんですかね??
★考える感
こども同士のいじめというか、悪ふざけというか・・・そういうものは一歩間違えばすぐに人の命を奪ってしまうものだなと恐怖を感じました。自分もそういうものと隣り合わせに生きてきたかもしれないと。こういうことをすると命を落とす、大変な怪我や障害を負うということをこどもに何らかの形で伝えていくことは重要なんだろうと感じました。
★ストーリー
ドラマ・新参者が好きな方なら絶対に楽しめると思います。
事件が起こる⇒加賀・松宮出動⇒関係者とのやり取り⇒複雑に絡まりあった人間関係が明らかに⇒すべてが意図されたものではなく偶然が引き起こしたものもたくさんあることに気付く⇒事件解決⇒人間関係も改善へ・・・という流れです。
新参者の特徴としては、「人が人を思いやることによって起こった偶然」というのが事件をややこしくしてしまっていることでしょうか。それが明らかになるとき、その優しさに気付けると。
★ラスト
劇団ひとりさんも教師としてけっこう重要な役柄です。ラストで明らかになる「本当の優しさとは何か」を考えさせられる罪を犯してしまいます。
すべてが明らかになったとき、それぞれが前を向いて歩き出そうとします。それがこの映画を観終わったあと嫌な気持ちにならないところだと思います。
「世の中を甘くみているなら安心だ。絶望して光が全く見えないよりもよっぽどいい」たしかに…。
「」
「一度誤った公式を覚えてしまうと何度も同じ過ちを繰り返してしまう」これも納得。
★出演者
阿部寛さん、中井貴一さんはもちろん良い縁起をされてました。抜群の安定感。存在感もあるし。
新垣結衣さん
田舎から東京へ出てきた…という役が妙に似合いますね、なぜだろ??
溝端淳平さん
だんだん二枚目俳優から外れてきてるような…あ、悪い意味ではないですよ(笑)なんとなく悪役とかが似合いそうな気がしてきました。
劇団ひとりさん
エンドロールで「劇団ひとり」って書いてあるのが、「劇団ひまわり」みたいで面白いなといつも感じます。演技上手ですよね。
鶴見辰吾さん
表向きは良い人だけど本当は悪い人…という役ばかりじゃないですか?最近(笑)まあ非常に合ってるんでしょうね、そういう役。
向井理さん
ドラマにも出てた向井さん。今回はポスターに写真だけ出演ですが…。ドラマ放映時はまだそこまで人気じゃなかったんですよね。だからこの映画で、ドラマに出てたことに気付いた人多いんじゃないでしょうか。
★映像
人形町界隈へいってみたくなりますよね〜。これは良い宣伝だと思います。
麒麟の翼像も観にいきたい。あそこが東京のスタート地点だったとは。
★音楽
特別変わった感はないですが、ドラマの時に流れていた音楽が流れると何か嬉しくなる感じ、ありませんか(笑)
★余韻
まだまだこれからも加賀&松宮のコンビを観たいという気持ちになります。
誰かが書いていましたが、「松宮の成長」というのも1つの楽しみ方かもしれません。
麒麟の翼では、完全に加賀の使いっ走りになっちゃってましたが。
★原作
東野 圭吾