西郷隆盛、西郷従道は、NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」では
鈴木亮平さんと、錦戸亮さんが演じています。
初回の放送では、いきなり年老いた西郷従道を演じる錦戸亮さんが出てきましたよね。
上野の西郷隆盛像の話からスタートで、
現代の映像から始まったので、ちょっと意表を突かれました。
西郷隆盛、従道の兄弟は
明治維新後の日本でも活躍するのですが
この2人にまつわる面白エピソードがありましたのでご紹介します。
それは「間違えられて、その名前になった説」です。
西郷隆盛の本当の名前・本名は西郷隆永
実はいくつか説があるみたいですが
「間違えられて」
隆盛/たかもり(りゅうせい)
という名前になったようです。
間違えられてって、なんで変更しないの??とちょっと疑問に思うところもありますが…
昔は、
本名の下の名前は「諱(いみな)」といって
親や先生など、特別な関係の目上の人からしか呼ばれなかったそうなので
その名残で、ある意味、「下の名前」はどうでもいいと思ったのかもしれないですね(笑)
明治が始まって、新しい戸籍ができるにあたりちゃんと登録された本名だと思いますが、
それまでの慣例上、周りの人も本名では呼べなかったでしょうし(諱で呼ぶことは失礼に当たるとされていた)
基本的にはみな通称で呼ばれていました。
西郷隆盛の通称は「吉之介(吉之助)」のようです。
では、西郷隆盛の本名・・本当の名前は何だったのか、というと
「西郷隆永」というそうです。
「たかなが」か「りゅうえい」かは意見が分かれると思いますが・・(^o^;
この、名前を音読みで読む方法は「有職読み(ゆうそくよみ)」と言われるものだそうです。
本当の読み方は訓読みだとしてもあえて音読みで読むという・・
木戸孝允(きどたかよし)なんかも、「きどこういん」と呼ばれていたりします。
これは上にも書いた「諱」つまり本名の下の読み方を呼ぶのは失礼にあたる
という考え方から、とくに明治初期には行われていたようで
その頃の人物で、よくこの有職読みがされている人名が多いです。
おそらく、明治初期に戸籍ができて「名前の登録は1つ」となり
それまで一般的に諱(下の名前)を呼ぶかわりに使われていた「通称」が使えなくなってしまったため
みんな本名の下の名前をしっかり登録することになったわけですが
だからといって、それまで「下の名前を呼ぶのは失礼」としてきたのに
急にその名前を口に出すのは憚られる・・ということで
おそらく、この有職読み、つまり音読みでの読み方が広がったんじゃないかということだそうです。
あとでも紹介する西郷の弟、西郷従道も
「さいごうつぐみち」ではなく、「さいごうじゅうどう」といいますしね。
あ、ただ、西郷従道の場合は「じゅうどう」がそもそも正しい読み方だ、
という話がありますが。
話を西郷隆盛に戻して。
元服したときの諱(下の名前)は「隆永」(たかなが)だったそうです。
では、なぜ西郷隆永という人が「西郷隆盛」になったのか
というと、
それは人に間違えられて登録されたから
なんだそうです(笑)
これは王政復古の章典で位階を授けられる際に親友の吉井友実が誤って父・吉兵衛の名を届けたため、それ以後は父の名を名乗ったためである。一時、西郷三助・菊池源吾・大島三右衛門、大島吉之助などの変名も名乗った。
つまり、親友の吉井さんが、西郷の名前をどうしても思い出せず
考えに考え抜いて思い出した名前「隆盛」を届け出てしまった。
しかしそれは、吉井さんが知っていた別の人の名前
つまり、西郷の父の名前だったという(笑)
西郷の父は通称吉兵衛で、諱が隆盛でした。
おそらくですが、西郷としては
・親友の顔をつぶすことはしたくない
という思いと、天皇からの命令で使われる名前なのにそれを変更するというのは恐れ多いという思いから、そのまま変更しなかったのではないかと思われます。
そして、それ以降、西郷隆永は西郷隆盛として生きていくことになりました(笑)
まあ、やっぱり、本人はどうでも良かったのかもしれないですね。
ほとんど通称吉之介で呼ばれていたんでしょうし。
それにしても、お父さんと同じ名前になるって(笑)
西郷従道の本当の名前・本名は西郷隆道
感情の量が多く
— 天下布武∞丸山隆平 (@maru_TENKAFUBU) 2018年1月7日
とびきり強い正義感
まっすぐな人でちょっとした不正を見るといてもたってもいられない
ご恩には命をかける熱い男
そんな西郷隆盛の兄弟役に
『関ジャニ∞ 錦戸亮さん』
期待しかありません!
#錦戸亮 #西郷従道 #西郷どん pic.twitter.com/MfNkfYJFLU
そして西郷家の面白いところは
弟の西郷従道も、実は間違えられてその名前になっているというところ(笑)
兄弟そろって同じ逸話を持っているという不思議(笑)
明治維新後、太政官に名前を登録する際、「隆道」をリュウドウと口頭で登録しようとしたところ、訛っていたため役人に「ジュウドウ」と聞き取られ、「従道」と記録されてしまった。しかし本人も特に気にせず、結局「従道」のままで通した。兄の隆盛も本名は「隆永」で、「隆盛」とは彼らの父親である西郷吉兵衛の諱であるが、兄の同志であった吉井友実が勘違いして父の名前を登録してしまったものである。隆盛、従道というのは諱であり、日常使用するのは通称(隆盛は吉之助、従道は信吾)であった。
元の本名は「隆興」(たかおき・りゅうこう)だったとする説もあり
どちらが正しいかはわかりません。
自分で登録する際に「りゅうどう」と言ったということなので
西郷従道さんの場合は、「じゅうどう」が正しい読み方と言えるかもしれないですね。
まあ、戸籍には「読み方」というのは登録されないそうなので
何が正しい、というのも無いとは思いますが。
(これは現代でも同じようで、出生届を出すときに「ふりがな」欄はあるようですが、戸籍には登録されず、手続き上で使われるだけ、と記載されているそうです。おそらく並べ替えする際等に使われているということなんですかね)
もしかしたらですが
西郷隆永を西郷隆盛と間違えた吉井さんも
間違えてお父さんの名前を言ったのではなくて
「さいごうりゅうえい(西郷隆永)」と有職読みで聞いていたのを
「さいごうりゅうせい(西郷隆盛)」と聞き間違えてしまって
西郷隆盛で伝えてしまった
という可能性もありそうです。
いずれにしても、
NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」第一話が終わって
「薩摩弁がきつすぎて何を言っているかわからない(笑)」
「字幕は標準語にしてほしい(字幕も薩摩弁)」
という意見がTwitterで出まくっているところをみると
やっぱり聞き取りが難しい言葉ではあるみたいですね〜鹿児島弁(^o^;
西郷従道って、
なんで、西郷隆盛とまるっきり違う名前なのかな?とずっと疑問ではありました。
もしかしたら、最終的に反政府軍として戦った兄とは別だと主張したくて
あえてそう名乗っていたのか?等と想像しておりましたが・・
全く違うようです(^o^;
この「名前間違い」
NHK大河ドラマ「西郷どん」でも描かれますかね??