NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」で、高橋一生さんが演じていることで
好評を博している武将、小野政次。
小野政次は「小野但馬守政次」(おのたじまのかみまさつぐ)と名乗っており
直虎や井伊家の家臣たちからも「但馬(たじま)」と呼ばれています。
この「但馬」「但馬守」とは一体何なんでしょうか?
但馬とは、但馬国(たじまこく)のことで
昔の日本国内の古い国の名前です。
今で言う、兵庫県北部にあたります。
甲斐国(今の山梨県)、信濃国(今の長野県)などと同じような呼び方ですね。
この辺りは武田信玄の領地だったところ。
大河ドラマ「おんな城主直虎」でよく聞く国名と言えば
尾張国(今の愛知県西部)、三河国(今の愛知県東部)、遠江国(今の静岡県西部)、駿河国(今の静岡県東部)
という感じで、
だいたい、今の都道府県をさらに細かく分割したような区分になっています。
この「国」を1カ国以上持っている大名、1つの国を全域支配している大名は、大きい大名ということで「国持ち大名」とか言われるようです。
(江戸時代には官位がどれ位以上とかもっと細かいルールがあったみたいですが。)
駿河、遠江の全域を支配していた今川氏
甲斐、信濃の武田氏
などは国持ち大名ですよね。
たいして、井伊家は、
遠江の一部を領有しているだけですし
石高も一万石もなかったでしょうから
大名でもなく😓
(大名とは、石高1万石以上を言うそうです)
「領主」というぐらいのものなんでしょう。
「守(かみ)」は正式には、その国の国主というような意味です。
幕府や朝廷が任命するものなんですが
室町幕府の終わり頃、戦国時代にはもはや
「箔をつけるための、あだ名」と化していて
自称で名乗っている人がたくさんいたようです。
なぜあだ名が必要かというと、
名前で呼ぶことはタブーとされていたらしく
「魂が抜かれる」などと思われていたとか。
よって本名で呼ぶのは親か、もしくは敵ぐらいのものだったそうです。
その時に呼んでもらう名前として「ナントカの守」や「ナントカの介」は、箔もつくし便利だったんでしょう。
実際ちゃんと任命されている人もいればそうでない人もいるというややこしい状態だったとか。
例えば、徳川家康は三河をほぼ統一した頃に、正式に「三河守」に任じられていたそうです。
では小野但馬守はというと…
これはおそらく自称でしょう(笑)
井伊家の重心である小野氏は但馬の地に縁もゆかりもないですし、領有していたわけでも
正式に任じられていたわけでもないと思われますので。。
ちなみに、小野但馬守政次の父、小野政直(「おんな城主直虎」では吹越満が演じていた)は
小野和泉守政直と名乗っていたようです。
和泉も…おそらくは関係ない土地。
ただ、大名や領主ならまだしも、大名の家臣、重臣クラス等で自称で「守」を名乗る人はほとんどいないんじゃないかと思われます。
ちょっと偉そうな感じですし…
ちなみに、井伊直虎の父、井伊直盛(杉本哲太)は信濃守を自称、直虎の元許嫁の井伊直親(三浦春馬)は肥後守を自称していたようです。
おそらく、
信濃や肥後よりも、但馬は国のクラスとしては少し下と思われるので、
一応主君である井伊家よりは下にしていたんでしょう。
和泉も但馬よりやや上ですが、信濃や肥後よりおそらく下。
でも、それでも、
家臣クラスで「守」を名乗るのははばかられそうですが…
それでも小野家が「和泉守」や「但馬守」を名乗っていたのは
その家系がかなり高貴な家柄だったからではないかと思われます。
まあ、、どこまで本当かはわからないんですけど😓
一応、小野但馬守政次の小野家は
あの有名な、小野妹子や小野小町を輩出した
有名な小野氏の末裔なんだそうです。
小野氏と言えば、もともとは皇族から始まっていますので、、
そりゃあ、小野氏の流れをくんでいる
というのなら
「俺は他のやつとは違う」となるでしょうね〜。
といっても、
政次の時代は、井伊谷の小領主・井伊家の家臣なので
力はあんまりないのですが(笑)
そういう家柄だというのは周りも知っていたので
「守」を名乗っても、とくに違和感はなかったのかもしれません。
…ということで、
小野政次が但馬守である理由を考えてみました。
「ナントカの守」って言われたら、現代人でもなんとなく偉そうな人だなと思っちゃいますもんね(笑)
そりゃみんな名乗りたがるわけですよね(笑)
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