NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」を毎日観てます。「わろてんか」「半分、青い。」と朝ドラを視聴する習慣がつき、そのまま続けて。正直始まる前はあまり期待してませんでした(^_^;) 出演者の年齢層が前の2作と比べ高そうで、そんなに流行りそうな感じがしなかったので。でも始まってみたら、そこそこ面白い。やっぱり朝ドラって考え尽くされててよくできたドラマなんだなーと感心しながら、毎日楽しみに観ています。
ただ、1点だけずっともやもやしていることがあります。それはヒロイン・福子(安藤サクラ)の夫、立花萬平(長谷川博己)のことです。この立花萬平のモデルになったのは日清食品の創業者・安藤百福さんです。「インスタントラーメンを生み出した夫婦の話」とNHKのまんぷく公式サイトでも書かれていますから、これは間違いありません。チキンラーメンやカップヌードルも、いずれまんぷくに登場することでしょう。おそらく違う名前で出てくるとは思いますが(^_^;)(宣伝になっちゃいますからね)
苦悶に顔を歪める長谷川博己さんというのは本当にハセヒロクラスタにはお馴染みなのですが、でも眼鏡もサスペンダーもなくてここまでアイコンが失われていても、やはりこれは今まで演じた役柄誰とも違う、「立花萬平」さんの表情なんだよね。中身が違うからね。役者さんって凄いなあ…。 #まんぷく pic.twitter.com/Q6549eEgev
— ルルフ (@hervorruf) October 16, 2018
何がもやもやするかというと、この萬平さんの出自のことなんです。萬平がこのドラマに登場してすぐの頃「俺の大阪弁は変か」というようなセリフがありました。その後、幼い頃に両親を亡くし、各地を転々としてきたという経歴が語られたのですが・・これがモデルとなっている安藤百福さんとは大きく違います。
NHK「まんぷく」公式サイトでは
※実在の人物をモデルとしますが、激動の時代を共に戦い抜いた夫婦の愛の物語として大胆に再構成し、登場人物や団体名は改称した上、フィクションとしてお届けします。
と書かれているので、たしかにモデルそのままに描く必要はないんですが・・
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正直、「これって改変していいのかな・・」と思うところなんですよね。
というのも、実はこの安藤百福さん、日本人なんですが、もとから日本人という方ではないんですね。
ちょっとややこしいんですが、安藤百福さんの国籍は
日本 → 中華民国 → 日本
という風に変遷しています。
お亡くなりになったときは日本人でした。
そして、生まれたときも国籍「日本」なんですが・・じつは「もともと日本人」という人ではなく、日本が台湾を統治していた時代に台湾で生まれた方なんです。お父さん・お母さんは当然台湾の方。要は台湾民族出身の方なんです。
で、ぼくは「台湾人だから嫌だ」とかそういうことが言いたいわけではなくて、むしろこのまま話が進んでいってカップラーメンを発明した!となったときに、あたかも「もともと日本にいた人がカップラーメンを発明した」というように扱われることが・・それでいいのかなと。
たしかに安藤百福さんは日本人なんですが、台湾出身者で、民族は台湾人のはず。そんな百福さんが日本に来てカップラーメンを発明した、ということではなぜダメだったのかな?と思います。
なぜ立花萬平は日本の人にしちゃったんですかね・・なんか無理やり、「日本すごい」って言ってるようで、ちょっと残念な気がします。
ちなみに、「まんぷく」のドラマ内で萬平は赤紙が来ても戦争には行くことはありませんでした。なぜかというと・・身体検査にひっかかったから。
赤紙がきた!と思ったら、急にお腹が痛いと言い始めて、母・鈴(松坂慶子)からも「仮病では?」と疑われる始末(笑)そりゃそうですよね、そのタイミングじゃあ疑われますよ。
でも安藤百福が戦争に行かなかった理由はおそらく「台湾人だから」だと思います。やっぱりもともとは「敵国だった」ということが理由で徴兵しなかったんだと思います。ただ、日本が統治する台湾でも、兵士への志願制度や徴兵制が行われたようですが、日本にいる在日台湾人にはそれはどうやらあてはまらなかったようです。
それが理由で戦争にはいかなった。
うーん・・それでいいんじゃないの??という気がするんですが、なぜあえて「日本人」にしたんですかね??日本で活躍した台湾の人ってたくさんいるし。プロ野球の王貞治さん、大豊泰昭さん、俳優の金城武さん。ビビアンスーさんなど。それも日本の1つの側面だと思うんですけどね・・
病気でいけない。二度目の招集も、急に身体が悪くなって、やっぱり行けない。っていうのもねえ。。まあ、拷問を受けていたから、という伏線はあるんですけど。
(ちなみに鈴が「仮病では?」と疑ったのは、自分が仮病を使っていた過去があるからだと思われます(笑))
やっぱりなんか残念だし、ず〜〜っともやもやしてしまいそうな気がします。。
※追記
実は「台湾出身」を言わないのは、御遺族の強い要望ではないか、という話がありました。そうだとすると、納得ですね。(真実はわからないですが)
今日読んでた『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』、台湾にルーツを持ち日本で活躍した人たちの数奇な人生を追った面白いノンフィクションなんですが、 #まんぷく の安藤百福さんの項を読むと朝ドラ内で台湾ルーツをぼかしてあるのは日清もしくはご遺族の強い希望なのかなと思った。 pic.twitter.com/TcNC2THWBR
— ジャム (@jamko29) October 18, 2018
ちなみに、安藤百福さんは台湾時代に2人の女性と結婚していて、正妻と妾のような感じだったそうです。その後、妾の方とは別れたものの、台湾時代の正妻だった人とは別れていない状態で妻となる安藤仁子さんと結婚したそうです。(台湾時代の正妻を妾扱いとした上でのことだとか。その方との間にできていた子は、仁子さんとの間に引き取ったそうです)
まあ・・ここは、朝ドラでは描けないですかね(笑)
よく考えたら、安藤百福さんの「安藤」という姓は奥さんの姓だったんですね。
そう考えたら「まんぷく」のヒロイン福子を演じている女優さんの名前が「安藤サクラ」というのが面白いですね(笑)
・・と、とりとめのないことをつらつら書いてしまいました(^_^;)
なんだかんだ言っても、明日以降も毎日みると思います。「まんぷく」