2022年秋ドラマ
フジテレビで放送の「silent」(サイレント)の感想と考察です。
↑この記事の内容は、動画でご覧ください↑
■出演者
役名 ー 俳優名・女優名
青羽 紬 ー 川口春奈
佐倉 想 ー 目黒 蓮(Snow Man)
戸川湊斗 ー 鈴鹿央士
佐倉萌 ー 桜田ひより
青羽 光 ー 板垣李光人
/
桃野奈々 ー 夏帆
/
春尾正輝 ー 風間俊介
佐倉律子 ー 篠原涼子
他
■スタッフ
脚本 生方美久
(第33 回フジテレビヤングシナリオ大賞 『踊り場にて』)
音楽 得田真裕
(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』、『グッド・ドクター』、
『監察医 朝顔』シリーズ、 『アンナチュラル』、『MIU404』他)
主題歌Official髭男dism 「Subtitle」
(ポニーキャニオン)
プロデュース村瀬 健
(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 』、『信長協奏曲』、
映画『キャラクター』 、映画『約束のネバーランド 』 他)
演出
風間太樹
(『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』、『うきわ ―友達以上、不倫未満―』、『脚本芸人』、
映画『チア男子‼︎』 『チェリまほTHE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』他)
髙野 舞
(『アライブ がん専門医のカルテ』、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』、
『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』他)
品田俊介
(『ミステリと言う勿れ』、『信長協奏曲』、『失恋ショコラティエ』、『隣の家族は青く見える』他)
制作著作
フジテレビ
ここからは、動画で話している内容の概要です↓
こんにちは。
フジテレビドラマ「サイレント」
今回は、奈々がどうして想の前で、携帯電話を耳にあてたのかについて考察します。
この動画をみていただくと、ろう者である奈々が携帯電話で声を聞こうとした意味について知っていただくことができます。
この動画内容は概要欄に記載のブログで、文字で読むことが可能です。
本編映像はTVerやFODでお楽しみください。
それでは早速はじめていきます。
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まずは、奈々が観ていた夢を振り返りたいと思います。
青いハンドバッグを持って奈々は歩いていました。
奈々は普段はリュックばかりを使っているんですよね。
理由はハッキリとはしませんが、もしかしたら、手話ですぐに人とコミュニケーションを取れるように、ということかもしれません。
当たり前ですが、耳の聴こえない方が絶対にハンドバッグを持たない、というわけではないそうです。
片手でコミュニケーションを取る方法もあるそうですし。
ですが、奈々は、いつも両手を空けておくようにしている、ということなんだと思います。
奈々は青いハンドバッグからスマホを取り出しました。
そして、スマホを耳にあて、電話をかけます。
この時点で、夢の話だな・・とわかりますが、その電話をする相手が、想なんですよね。
このシーンの直前、奈々は想とレストランで話をして、「私もあの子も想くんもわかり合えないね」と言ったところでした。
が、今、電話をしている相手は想です。
自分の理想の夢に登場する相手が、想、ということなので、奈々は想のことが好きであることがハッキリ描かれていますよね。
そして奈々から電話がかかってきたことに、想が気づきます。
ここで注目したいのは電話に出る時の想の行動なんですが、
想はこのとき、両耳からイヤホンを外してから電話に出てるんですよね。
これ・・奈々の夢の中のはずですが、
この世界では、想の方も耳に問題はなく音楽を楽しめているようです。
奈々は想から、もしかしたら昔好きだった音楽の話なんかも聞いたことがあったのかもしれないですね。
イヤホンを使っていつも音楽を聞いていたということも、奈々は想から聞いていたのかもしれません。
電話で近くにいることがわかり、
そしてちょっと距離がある状態でお互いを見つけます。
そして、「おーい!」と呼びかけていました。
2人はお互いの声を聞いて、待ち合わせができているんですよね。
合流できた二人はならんであるくのですが、そこで奈々が左手に持っていたハンドバッグを右手に持ち替えます。
なぜなら左手は、想と手をつなぐから、ですね。
そして、2人は手をつなぎながら、何か楽しそうに話しながら歩いて行っていました。
このシーンがとても切ないのは
奈々ができないことが詰まっているということ・・
お気に入りのハンドバッグででかけたり、好きな人と電話をしたり、声で呼びかけたり、手をつなぎながらおしゃべりして歩いたり・・
という、それだけではなくて
このシーンに声が一切ないこと、ですね。
奈々は生まれつき耳が聴こえないので、人の声を聞いたことがないんですよね。
自分の声も知らないし、当然想の声も知らない。
だから、たとえ夢だとしても、声がそこで聞こえることはないんですよね。
そして、夢から覚めた奈々は、紬が通っているところとして想から教えてもらった手話教室にやってきて、紬と会います。
これは・・想が会っている女性・紬がどんな人なのか、奈々は確認したいと思ったんですかね。
そういえば奈々は想から話がしたいと言われたときに、「昔の恋人と昔の親友、想くんと再会したせいで別れちゃったんだ」と言っていたので
想からちゃんと、紬は「昔の彼女だった」と聞いていたことになりますね。
想は奈々に対して、紬のことをすでに色々と話していて、それを聞いていた奈々は
紬のことをしゃべる想の様子から、きっと想は今も紬のことが好きなんだなと勘付いていたように思いますね。
奈々はたまに見る夢、として「好きな人と電話すること」の話しをしていました。
そして、手をつないで話すことも。
これ、ついさっきの、夢の中で想とやっていたことですよね。
恋が実ってもその夢は叶わない
恋も叶いそうにないんだけどね
ここまで紬に伝えて、奈々は耐えられなくなり席を立ちました。
きっと奈々は、もともとはこんな話をしようと思って紬へ声をかけたわけではなかったと思います。
でも、紬が、想と電話をしたことがある
想の声を聞いたことがある、という話しを聞いて、感情をおさえることができなくなったようでした。
自分には絶対に叶わないことを、簡単にできてしまっている紬のことが
うらやましい、許せない・・というような気持ちがわいてきてしまったのかもしれません。
紬と会っていたカフェを飛び出した奈々は
過去に図書館で、想から「奈々にだけ伝わればいいから」と言われたことなどを思い出しながら泣いていました。
するとそこに想から電話がかかってくるんですよね。
これは・・音声通話だったんでしょうか?
手話を使う方はビデオ通話を使うことはあるのではないかと思うのですが
ビデオ通話で手話で会話するって歩いている途中とかだと無理だと思いますし、
ビデオ通話かける時は事前にLINEなどで連絡するんじゃないか?と想像しました。
このあと想が駆け寄って、「離れてたから電話した」と言っていて、とにかく気付いてもらうために電話した、ということだったので、音声通話かな?と想像しました。
また、このあとの奈々の行動からも・・音声通話であるような気がします。
奈々は、想からかかってきた「音声通話」の電話をみて
夢でみたのと同じだ・・と思ったのかもしれません。
奈々は想から声で電話がかかってくることも想像していたんじゃないでしょうか。
そして、奈々の前に想が現れます。
奈々は想のことを見つめるので、想から「どうしたの?」と聞かれますが、何も答えません。
そして、次の瞬間、スマホを持つ手をゆっくりと左耳に持っていくんですよね。
電話をかけてきた相手である想は目の前にいますし、
そもそも奈々は電話の声を聞くことができません。
それでも、奈々は、かかってきた電話を耳にあてたんですよね。
これについては、まず思ったのは
奈々が「今なら聞こえるんじゃないか」と思ったということですね。
夢と同じようなシチュエーションで想から音声通話がかかってきた。
もし夢と同じなら、電話から想の声が聴こえてくるかもしれない。
そう思って電話を耳にあててみたんじゃないでしょうか。
でも、やっぱり聴こえないんですよね。
夢じゃないんだ、夢じゃないよね。と。
夢と同じことが起こったから、「今なら聞こえるかもしれない」そう思ったんじゃないかとおもいました。
想の声が聞きたい、その一心だったと思います。
しかも、想から電話がかかってくるなんて、今までなかった状況で、これは夢と同じだったんじゃないか、だから夢見たいに、もしかしたら・・と思ったんじゃないかと思います。
そして、実はこのシーンは愛の告白でもあったのかなと思いました。
叶わないこと。好きな人と電話すること。
好きな人と電話することに憧れると言っていた奈々が、想からの電話に出る、というのは、奈々にとっては愛の告白と同じなんじゃないかと思いました。
だから、想の目の前で電話に出ることで、想に「好きだよ」と伝えているように感じます。
でも、これは、想には伝わらないんですよね。
想は奈々がそんなことを考えているとは全く知らないからです。
でも、実は伝わっている相手がいるんですよね。
それは紬です。
紬は直前に、奈々から、
叶わないこと。好きな人と電話すること。
好きな人と電話することに憧れる、という話を聞いていました。
本当は電話はできないはずなのに、おそらく想からの電話に出ている奈々をみた紬は
奈々が想のことを好きなんだ、ということを確信したと思います。
奈々は紬がうしろに居ることに気付いていないと思うので、奈々があえて紬に見せた、ということではないと思います。
ですが、紬はその奈々からのメッセージを受け取ったと思います。
想からは、泣きながら電話を持っている奈々、という風にしか見えていないと思いますが
紬からは、好きな人である想と電話で話したいけど聴こえない。そして恋も叶わない。
という奈々の姿に見えて、
奈々に対していろんな感情が湧き上がるんじゃないでしょうか。
最後に、
奈々を演じる夏帆さんの演技がすごかった・・という話をさせていただきたいです。
俳優さん、女優さんは表情や仕草はもちろん、通常は声でセリフをいって役になりきるんですよね。
それが今回、夏帆さんが演じている奈々は、全くしゃべらない人なので
これまでの放送で夏帆さんは一言も話していないんじゃないか?と思います。
想から「奈々にだけ伝わればいい」と言われて恋を感じたとき、
紬から想との電話のことを聞いてうらやましく思う気持ち、
想と電話できたらどんなに素敵なのか・・と思いながら電話機を耳にあて、でも聴こえなくて涙するとき
これすべて、ほぼ表情だけで伝えられているんですよね。
こんな演技ができる人はなかなかいないんじゃないかと思いました。
あらためて、夏帆さんの魅力に気付かされたように思ったサイレント第6話でしたね。。
ーーーー
ということで、
最後までご視聴いただき、ありがとうございました。
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